みずたく氏、「春」を語る。
「澄んだ色。濃厚な舌触り。そして深い香り。ふーん.......、味わい深い。」
RIEDEL風のDAISOワイン・グラスを片手に語るのは、みずたく氏。
バイト先の自販機にウェルチが置いてあり、衝動買いをしてしまった。
(また、その衝撃から、カルピスの自販機の虜になってしまったようだ。)
※ウェルチの参考画像
「そうそう、昨日からちゃんとした春休みに入ってさー。」
みずたく氏は、4月上旬まで続く長い春休みに突入した。
そんな長い休みに、みずたく氏はなにをするのか。
ーーところで春休みのご予定は?
「ジョブハンだよ、ジョブハン。さすがにまだ己の力じゃ飯食っていけないからね。」
なんとみずたく氏が就職活動。スカウトも受け付けているらしい。
実力は未知数。福袋を買う気持ちで、スカウトをして欲しいらしい。
・・・・・・スカウトをして欲しいらしい。
ーーどんな業界に入られるんですか?
「えっとね、くぁwせdrftgyふじこlp;」
ちょっとなんて言っているかよくわからなかったが、入りたい業界はあるっぽいようだ。
「そういえばケツ丸君。春といえば、なんでしょう?」
ーーえっ、春といえば?えっと......
「そう、節分。豆まきをしないとね。」
結論ありきでの質問。これぞ仮説思考というやつだ。
「はいー。おにはーそとー。はいー。」
みずたく氏はおもむろに腰を上げ、ピスタチオを蒔き始めた。
私は目を疑った。ピスタチオ、であるのだ。
なにがなんだかわからない。
私にはみずたく氏を理解することができないのか・・・・・・
取材終了後、みずたく氏の行動に思いを巡らせた。
そうすると私は気付いてしまったのだ。
蒔いた豆がピスタチオだったことに、深いメッセージが込められていると。
"Think different."
普通、ひとは豆まきと言ったら大豆を連想するだろう。
しかし、そんなのは誰かが勝手に決めた「常識」なのだ。
常識にとらわれない生き方をすべき………。
そう、みずたく氏は、あの若き日のSteve Jobsと同じ思考回路なのだ。
"世界平和"
大豆はつまみにもなんにもならない。
だが、ピスタチオはとても酒に合う。
鬼と一杯盃を交わしたい。
みずたく氏は人間という枠を超えた交流さえ、欲してしまうのだ。
人と人との、そしてそれ以外の種族とも繋がりあえる社会。
そう、世界平和のメッセージもこの豆まきに込められているのだ。
常識を疑う。
世界の平和を願う。
これが、これこそがGLOBAL KEIOなのだ。
マリアナ海溝よりも深い思慮を持ったみずたく氏に、思いの丈をぶつけたい。
感極まった私は、彼のオフィスへと駆け足で引き返した。
「ピスタチオうめぇー。豆ん中で一番うめーわ......ん?どしたん?」
一足早く、みずたくは春を迎える。